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実践セミナー第1回「自分との和解」がもたらす恵み [Bさんの場合-1]


Ⅰ. 逃げ出したい思い

「どうして無視するの?そんなに私が嫌い?」

と、同僚に言われBさんはひどく落ち込んでしまいました。

会社が休みの日に入った喫茶店。その同僚が居るのに気づいたBさんは急に強い動悸をおぼえて、その場から逃げ出してしまいました。見つからないようにととったその行動の一部始終は見られていたのです。

職場で彼女を避けたことはこれまで一度もなく、その関係も決して悪いものではありませんでした。

それなのに何故逃げだしたのか。

それは私服姿を見られるのが堪らなく嫌だったからです。いつも着ている制服はBさんを覆い隠してくれる隠れ蓑、鎧のようなもので、私服姿はまるで裸の自分を見られているようでとても恥ずかしかったのです。

職場でテキパキと仕事をこなすBさんは、いつも良い評価を受けるのですがそれを素直に喜べません。

褒められると逆に「不十分な自分」が突きつけられるようで心が重たくなるのです。他者の目に映る自分と本当の自分に大きなギャップがあり、そんな「裸の自分」に気づかれそうになると人を遠ざけてしまう。

考えてみると、職場に限ったことではなく、学生時代にも同じような過剰反応で人間関係が難しくなるということがたびたびあったことを思い出しました。

喫茶店での出来事は、Bさんにそんな行動を繰り返し取らせてしまう原因、心に残る深い痛みに気づかせたのでした。(つづく)

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