〜聖書「重要聖句」講解＜82＞〜

1)   メッセージのサマリー

イエス・キリストは、少しでも上位の席に座って面目を保ち“価値ある者”として認められようと争うユダヤ文化に生きる人々を前にし、“真のへり下り”について教えられた。それは、我力で自分自身をより高い“いるべき場所”に置こうとせず、保有する力を悪用して自分の目的を達成しようとしないこと、であった。人は、喪失した“自己価値”を回復するために自らの“持てる力”を最大限に用いて、他者より少しでも上に“いるべき場所”を獲得しようと奮闘するが、その試みは必ず破綻し“自己崩壊”に直面する。一方で、神様との絆に“自己価値”の土台を据える者たちは、我力で自己価値を創造し、自分の力で“いるべき場所”を獲得するという束縛から解き放たれる。そして、「“持てる力”を抑えても収まる場所＝末席」に身を置くことを選ぶ者たちは、正しく事を為す意思と力を持ち、自分を正しく取り扱ってくださる“支配者＝神様”によって引き上げられ、相応しい最良の“いるべき場所”に置かれる。

2)   インスピレーション＆アプリケーション

神様と自分の絆の中で培った“自己価値”を持つ者は、末席につくことをいとわず、神様が置かれる場所にゆだねることができる、というメッセージ。自分の力でより上位の“いるべき場所”を獲得する必要も、またそれを目的として自らの力を高めたり誇示したりすることで“自己価値”を高めようとする必要もない。私自身、この価値基準を自分のものとし、自由にされた者であるはずである。それなのに、いつの間にか古い自分に引き戻されて「自分を高くする者」にすり替わる。この束縛に気づき、“神の子”というアイデンティティーを日々受け取って、揺るがない“自己価値”を据えていきたい。神様はそのような私を“いるべき場所”へと導いてくださるというメッセージに深い安心を覚えた。

3)   メッセージから紡ぐフレーズ

自分で自分の価値を作り出す必要はない。

神様がすでに価値ある者とされているから。

自分の力でいるべき場所を獲得する必要はない。

神様がその場所へと導いてくださるから。