
A.K.
2024年11月10日
《『パンとサーカス』マタイ6 : 34》
マタイ6 : 31-34
1) メッセージのサマリー
ローマ帝国の時代から、時の権力者は「パンとサーカス」を提供しさせすれば民衆をコントロールできるとされてきた*。「これさえあれば」というもの(偶像)を前に並べて、人々を支配するのが権力者の思考である。今回の大統領選挙結果から分かることは、人々はやはりパンを求めて生きてしまうということ、パンを与えられなくなったらどうしようという人々の予期不安が、トランプ氏を世界の大国の指導者に押し上げたという事実である。しかし私たちキリスト者は、パンだけを求めてはならない。神様だけを支配者として、神様の力に頼って生きるなら、予期不安から解放され、目の前の必要だけではなく、その先にある本当に必要なものに目を向け、満たされ、地上の人生を生き抜いてゆくことができる。
*食糧と娯楽。ローマ帝国の詩人ユウェナリスによる政治風刺。
2) インスピレーション&アプリケーション
「パンとサーカスの世界」を求めた人々がトランプ氏を自分たちのリーダーに選んだという総括に合点がいった。世界の富がアメリカに集中する中、格差社会で経済的に取り残された人たちの不満と予期不安が、理想を掲げるハリス氏ではなくトランプ氏への期待となって顕在化したのだ。加えて、トランプ氏の側近たちが独特な世界を持ち、本人とは比べ物にならないほどの怒りと悲しみを晴らすステージとなるという分析も非常に興味深かった。それはさておき、私たち自身はどう生きるのか。誰が為政者であっても、どんな時代になっても、目先のパンだけを求めるのではなく、その先にあるもっと大事なものに目を向け、神様の満たしを受け取りながら、価値あるものの創造に取り組んでいくことができる。決して揺らぐことのない良いお方が、私の支配者であることを選択し続ける限り。
「神の国と神の義とをまず求めなさい。
そうすれば、それに加えて、これらのものはすべて与えられます。」マタイ6 : 34
3) メッセージから紡ぐフレーズ
決して揺らぐことのない方だけが私の支配者。
自分の力でパンを得ることから解放され、
真に価値あることに取り組むことができる。